論文名 |
クリプトンガイドラインの解釈と見解 | 筆 者 |
東村光 | 秋葉原大学萌学部准教授 |
Title |
How to read to Crypton's guideline | Auther |
Hikari Higashimura | Associate Professor. /The University of Akihabara |
副 題 |
CGM上のキャラクターにおける二次創作コントロール | |||
Subtitle |
Coterie expression control method for CGM charactor | |||
初 出 |
秋葉原大学(web公開) | 2008年1月31日 | ||
収 録 |
秋葉原大学萌事論文集(萌集) | 収録予定 | 未刊行 | コミックマーケット74新刊予定 |
Source |
TUA of MOE Reports | JAN 31 /2008 | Will publication at ComicMarkets 74 |
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概 要 /Abstruct
本稿は同人における表現の自由をテーマとする論文から、大きな問題となっている初音ミクにおける“デP削除問題”における問題点となる部分を抜粋し、初音ミクブームの展開という事情を考慮した議論を行うものである。
全文については、今後刊行される秋葉原大学の同人誌「秋葉原大学萌事論文集(萌集)」に掲載する。全文では、デP問題を中心に、同人における表現の自由のあり方について議論を行う。これは著作権非親告罪化、原作品のイメージ形成に与える同人の影響、二次創作として許容されるべき範囲などの問題などを考えるものである。
萌集の刊行は、2008年8月に開催されるコミックマーケット74を目標としているが、秋葉原大学が参加する別のイベントに合わせた発行も検討される。なお本論文における議論の前提として、萌例タイムズC73号掲載論文である「背景無き初音ミク」第V章の議論を参考とされたい。
目 次
T. ボーカロイド問題の展開・経緯
V. 補足
初音ミクを巡る問題は、発売以後毎月のように様々なレベルで発生している。 2007 年 10月に発生した TBS 報道問題(アッコにおまかせ事件)では、初音ミクに対するマスメディアの取り上げ方並びに初音ミクを支える萌文化圏に対する偏見をさらに助長させる報道が為されたことについて、批判が相次いだ。
次に問題となったのは、 google ・ yahoo における初音ミクの画像検索の問題である。またコミックマーケットを控えた 12月には、JASRAC登録問題と、抱き枕販売停止事件が起きた。
これらの問題は、大きな波紋を呼んだが、インターネットをメインとするメディアにより大きく取り上げられたこともあり、極めて短い間に問題に対する対策が提示され、実行された。特に JASRAC 問題については、ニワンゴ側、クリプトン側の双方が議論の過程を公開で行うという珍しい試みが為され、部外者にも論点側が開示されたことは異例とも言えるものである。これらの一連の問題についてクリプトン社は、ユーザーサイドに立った対応を行い、同社に対するネットユーザーの支持を得るに至った。しかしその一方で、 12 月末に行われるコミックマーケット 73 において、1サークルが頒布を企画した「成年向け抱き枕」について、公序良俗に反する二次創作を禁止するガイドラインの規約に基づく制限 [1]を行った [2]。この抱き枕事件については、ガイドラインによる明示が事前に為されていたため、胸部を露出するその表現がガイドラインに違反するものとして妥当であるとの受け取られ方が大勢を占めていた。
1月には、鏡音リン・レンが発売となりボーカロイド [3]ブームもさらなる展開を見せる中、ピアブロという新しいサービスも本格的に提供 [4]され初め、ようやく問題の収束が見えかけた矢先に、クリプトン社はニコニコ動画にて公開された一部楽曲の削除を行った。この削除について、クリプトン社はガイドライン並びにソフトウェアの使用許諾契約書に基づく措置として行った [5]としている。
この問題については、既に様々な見解がウェブログ上で展開されており、この問題の本質について的確な議論が展開されている。本稿では、そのような先行見解を踏まえた上で、そもそも今回の削除の根拠となったガイドラインについて、ピアブロ上にて公開されている内容について検討を行い、ボーカロイド関係の二次創作に与える影響について議論を行う。
また本論文については概要における記述を参考とされたい。
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